歴史と娯楽と日常の狭間で

自分がこれまでに蓄えた歴史の知識、楽しかった娯楽、日常の気づき等を淡々と綴るブログです♪

ヤンキー上がり…その虚栄心の向かう先……【派遣で出会った人々】

そこに一匹の “獣” あり。

 

その “獣” つねに猛り、他を圧する。

その “獣” つねに荒ぶり、弱者を蹂躙する。

 

なぜゆえに猛る? ちっぽけなる虚栄心ゆえに?

なぜゆえに荒ぶる? 満たされぬ自尊心ゆえに?

 

 

荒野に集う野犬たち……

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派遣の仕事と一口に言っても、その業種や難易度は様々だ。正社員さながらの激務をこなさねばならない所からごく短期間でモノにできる軽作業から、千差万別である。

そんな派遣の仕事の中で、僕がもっとも楽だと感じた仕事は、なんといってもパチンコ台の製造だろう。

 

パチンコ台の製造で派遣社員に割り当てられる仕事というのは、本当に単純なものだ。例えば、手の平サイズの部品の組み付け具合を目視する、台のとある部位を組み付けるため特定の場所へビスを2~3本打て等、いずれも一日もやっていれば慣れるような仕事ばかりだ。しかも短期での勤務も可能なので、製造業初心者やちょっとした小遣い稼ぎには最適な仕事といえるだろう。

 

しかし、そのような単調な仕事の性格上、派遣の世界においてすらどこの職場でも務まらなかった、所謂「あぶれ者」というような人々が集まりやすい環境でもある。その代表的な人種こそ、ヤンキー上がりである……。

 

僕が以前勤めていたパチンコ製造会社もご他聞に洩れず、そのような人々が実に全体の6~7割を占めていた。その中にまさに筋金入りともいうべき、真性のヤンキーともいうべき男がいた……。

 

その男、上背はそれほど高くはない小柄といってもいい体格、ヘビメタ風とでも言おうか何とも形容しがたいサイケな(←死語かな、もはや…)髪型、そして体全体からほんのり漂うオーデコロン……。一見して売れないロック歌手といった風情だ。

 

しかしそのような風貌に反し、性格的には寡黙で実直、職務にも実に忠実である。よって周囲からの評価も「見た目のわりに真面目な男だ」と上々だった。僕は彼といっしょに仕事をすることになるのだが、その印象は周囲と同じ「真面目な男」だった……。

 

「真面目な男」……。

 

そう、彼は実に「真面目な男」だった……。その、ヤンキー精神においても……。

 

“野犬”の中に“狂犬”あり……

 

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ヤンキー精神……その根幹をなす価値観は、実にシンプルだ。

「強者と弱者」……それだけである。彼らは自分よりも強いか弱いかでしか、人を判断できない。そして常に自分を派手に装い、他者に対して攻撃的であることで自分を「強者」の側に、他者を「弱者」の側に置こうとする。

 

件の男は、上記のような精神の忠実な実行者であった。

周囲の同僚たちには常に高圧的。自分より少しでも地味な感じの人間に対しては、なんの落ち度が無くとも馬鹿にしたり貶めたりして、半ば恣意的にでも「弱者」の側に置こうし、その認識を周囲に拡散させる。

 

なまじ真面目な男なだけに、その精神を絶対に曲げることをしない。その点、同じヤンキー上がりでも軽薄な人間の方がいい加減な分、まだ接しやすかったように思う……。

 

その真面目さゆえに彼は “狂犬” だった……。

 

“狂犬”の向かう先……

あれから7年、時々彼のことを想い出す……。

今も相変らず彼は “狂犬” でいるのだろうか……。

彼ももう30代半ば、ヤンキー精神を保ち続けるのも、精神的につらくなってくるはずである……。

もういい加減つっぱるのは辞めたらどうだと、僕は思う……。

 

 

それでは失礼します。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。