歴史と娯楽と日常の狭間で

自分がこれまでに蓄えた歴史の知識、楽しかった娯楽、日常の気づき等を淡々と綴るブログです♪

『装甲騎兵ボトムズ』 その「リアリズム」と「機能美」

『機動戦士ガンダム』放映以降の80年代、世は空前のロボットアニメブームを迎えた。

 

マクロス、ダンバイン、バイファムetc.……。それこそ、毎年のようにロボットアニメが放映されていた時代だった……。

 

僕は当時を生きていた人間ではない。だから当時の熱気というものがどういったものかは、いまいちよくは分からない。しかし、そんな僕がとてもハマった作品がある、それは……、

 

 

装甲騎兵ボトムズ

この作品と僕との出会いは、↓の記事に詳しく記してある。

 

www.chijoji.com

 

当時、不登校という闇の中にいた僕にとって、この作品(というかこの作品の主人公)との出会いは、まさに一筋の希望となった。

 

何回見たか分からない。セリフは今でもほとんど覚えている。

この作品は、非正規労働という新たな闇を抱えた僕を、今でも救い続けてくれている……。

 

あらすじ

 ストーリーはギルガメスとバララントと呼ばれる二つの星系の間で、200を越える星を巻き込んで、100年に渡って繰り広げられた戦争が終結した日から始まる。そこには悲惨な戦争が終わったという喜びはなく、戦争が引き起こした退廃と混乱と荒廃が全宇宙を覆っていた……。

 

主人公キリコ・キュービィーは18歳の戦場からの帰還兵。終戦によって行き場を失った彼は、競技場でATと呼ばれるロボットを戦わせて金を賭ける、バトリングという見世物に参加することになる。

 

彼は軍隊で重大な軍事機密を目撃していたために、戦争終結後も軍の特務機関に追われており、バトリングにおいてもその刺客と思しき存在(後に“第三勢力だと分かるが…)に命を狙われていた……。

 

しかしある日「ファンタム・レディー」と呼ばれる謎の美女が彼の前に立ちふさがる。彼女こそキリコが目撃した“軍事機密”だった……。

 

荒廃した世界を蠢く鉄の騎兵・AT

上記のように、「ボトムズ」の世界観は、退廃的で非常に根の暗いものだ。映画に例えると「ブレード・ランナー」と「マッド・マックス2」の世界観を足して二で割った世界とでも言おうか…。(伝わりづらいか、些か……笑)

 

そして、そのような退廃的な世界で活躍する作品の“顔”ともいうべきロボットの総称が、ATである。

 

 

上記がATの代表的な機種、スコープドッグだ。

ご覧のように顔に当る部分は無骨な三連のターレット・レンズ、ボディは緑で塗装され、さらには上記では分かりづらいが、全長はこの手のアニメに登場するロボットとしては極めて小さい、わずか4mだ。(人間の身長の約2倍ちょっと、「ガンダム」のMSの約1/4程度)

 

はっきり言って、ロボットアニメらしい“色気”というものが、まったく感じられないデザインだ。ロボットというよりは、その辺の作業機械に手足を生やしたような風情だ…。

 

装備している武器にしても、「ガンダム」のビーム・サーベルやビーム・ライフルといったSF的な味付けの武器は一切無く、ただの火薬式のマシンガンだ。(もちろん、4mの巨体に合わせて大型化しているが…)

 

しかもこのAT、主人公の乗っている機体だろうと、その辺のザコメカよろしく、簡単に大破する。(そして主人公は、さっさと別の機体に乗り換える…)

 

このような“色気”の無いロボットが、作品の“顔”でいいのかと疑問に思うだろうが、どうだろう、作品を見てもらえれば分かるが、このような無骨なメカニックは、上記したような荒廃した世界観においては、妙な「リアリズム」を生むのだ。それは一種の「生活感」といってもいいほどにだ。

 

さらにこのAT、ギミックも非常に創り込まれている。

 

足の裏に付いている小型のローラーで地面を滑走する「ローラーダッシュ」

前腕部を杭打ち機の要領で敵に叩きつける「アームパンチ」

踵の脇に常設されている杭を地面に打ち込み急ターンをする「ターンピック」

 

……等々、その小さな(あくまでロボットとしてはである)ボディに満載されている、その豊富なギミックは、一種の機能美に溢れていて、実にカッコイイのだ!

 

以上のように、非常に無骨なデザインゆえ、少し敬遠してしまうかもしれないが、ぜひ映像を見て、荒廃した世界を蠢く、その鉄の騎兵たちの活躍を見てほしい。ATの無骨なデザインゆえの「リアリズム」「機能美」が感じられるはずだ!

 

 

 

今回は、「ボトムズ」のメカニックについて、綴ってみた。次回はキャラクター、特に主人公・キリコについて綴ろうと思う。このキリコこそ、僕が現在まで「ボトムズ」にハマリ続け、そして救われ続けている、魅力的な存在だから……。

 

 

今回はこれで失礼します。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。