歴史と娯楽と日常の狭間で

自分がこれまでに蓄えた歴史の知識、楽しかった娯楽、日常の気づき等を淡々と綴るブログです♪

范蠡(はんれい) その流水の如き、華麗なる生涯 Part 1

以前、炎の如き激情家・伍子胥の生涯を綴った…。

 

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だが同時代(詳しくは↓の記事参照)、彼の炎の如き生涯とは対照的な、流水の如き生涯を生きた人物がいた……。

 

 

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天才軍師・范蠡 その驚愕の奇策! 

紀元前496年、南方の辺境国・越(浙江省)の国王・允常が病死。子の句践(こうせん)が跡を継いだ……。

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この政権交代の間隙を衝いて、隣国・呉(蘇州周辺)が越に攻め込んで来た。これに対し越は檇李(すいり)(浙江省平湖県の西)という地で迎え撃つこととなった。

 

……先年、大国・楚(湖北省・湖南省)を打ち破り意気上がる呉。それに対し、政権交代が行われたばかりで君臣の意思の統一が執れておらず、且つ大国との戦の経験にも乏しい越……。将兵の質、士気共に圧倒的に不利であることは否めない……。

 

この圧倒的不利な状況に皆が不安を隠しきれないなか、大河の如く悠然と構えている一人物があった。……この人物こそ今回の主役・范蠡(はんれい)である。

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范蠡は考えた。強国・呉に対して戦の経験が乏しい越が勝利を得るには、正攻法では無理であろう。……ここは、奇策を用いるべし! 

 

范蠡は何を思ったか、急に死刑が決まった罪人を大勢集めて、こう告げた……。

 

「その方達は、すでに死刑が決まっている重罪人じゃ。だが自ら死ねば父母妻子には今まで通りの扶持(給与)を与え、暮らしを保証してやる」

 

……死を前にした人間にとって一番の心残りは、後に残された者だ。その生活が保証されるとあれば、元が死を約束された人間……どのような恐ろしい命令でも遂行する「鉄血の人間」と化す! 彼らは自らすすんで范蠡の命令を遂行することを誓ったのだ。

 

そして迎えた檇李の会戦……。呉軍は呉王闔廬(こうりょ)の指揮の下、大軍でもってすでに越軍を呑んでかかっていた。

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しかし、迎える越軍の先陣は、呉軍の意表を衝くものだった。彼らが目にしたそれは、罪人の群れであった! これにはさしもの呉軍も咄嗟には越軍の真意を計りかねた。そして越軍の次なる行動によって、疑惑は混乱へのその席をゆずることとなる!

 

なんと! 越軍の先陣を切った罪人たちは、奇声を挙げながら次々と自害していったのだ! 越軍のこの異様な行動に、呉の全軍は動揺に包まれた。「なぜ? 何ゆえにこの者たちは自害し始めたのか? その真意は?」……動揺は次第に混乱へと変わっていった……。

 

呉軍の混乱が極みに達したそのとき、左右から越軍が怒涛の如く攻め寄せてきたのだった! 一体いつの間に? 

 

范蠡は、罪人たちの自決劇を見せることで呉軍の注意が前方に向いている間に、二つに分けた越軍を呉軍の両側面に回りこませていたのだった。

 

混乱の虚を衝いたこの挟撃で、呉軍はひとたまりもなく敗退。呉王闔廬はこの戦で受けた傷が元で世を去るのだった……。

 

 

……一方、圧倒的不利な状況からの華麗なる逆転勝利を演出した范蠡は、越国内において一気にその名声を高め、ついには越王句践の軍師として、重きをなす存在となった。

 

 

さて、その後范蠡は、その智謀でいかに句践を補佐していくのか? 続きは次回のお楽しみ。

范蠡を扱った作品