歴史と娯楽と日常の狭間で

自分がこれまでに蓄えた歴史の知識、楽しかった娯楽、日常の気づき等を淡々と綴るブログです♪

怪奇!? カメレオン男!!【派遣で出会った人々】

突然だが皆さん、カメレオンという生物をご存じだろうか?

 

……愚問だった。知らない方はいないだろう。言わずと知れた周囲の環境に合わせて体色を変化させる爬虫類生物である。

 

今回は僕が派遣の現場で出会った、一風変わったカメレオンをご紹介しようと思う……。

 

 

七変化……その姿、正にカメレオンなり!

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パチンコの製造工場に勤めていた時のことである。

僕のいた部署に、ある男が転属されてきた。中肉中背、顔は十人並み……これといって特徴のない普通の男といった印象だ。強いて言えば黒縁の眼鏡をかけていて、その奥の目が少々釣り上がり気味で、それが何となく狐を思わせる……それが特徴と言えば特徴である。

 

また立ち振る舞いも、その見た目の印象同様に実に無個性且つ大人しいものであった。

誰に対しても分け隔てなく、必要最小限の受け答えのみで余計な口をきかない、正に人畜無害といった態である。

 

当然彼は僕に対しても無難な対応で接していたわけだが、ある日彼は僕に向かって唐突にこんな事を言い出した。

 

「ここの管理者は、全く責任を取ろうとしない。何のための管理者なのかわからないよなあ!」

 

僕は少々驚いた。今までの彼とは明らかに異質な雰囲気を感じ取ったからである。だがまあ、人間というのは感情の動物である。たまにはこういう事もあろう、とその時は軽く受け流していた。しかしその後も……、

 

「〇〇さんは、仕事が出来ると聞いていたが些細なミスが多い! 噂ほどじゃないなあ(笑)」

「〇〇さん、気付いてないようだけど上司からの評価はイマイチだぜ」

「〇〇の部署はクズしかいないなあ(失笑)」

 

……と、悪口はどんどんエスカレートしていった。聞かされる僕は少々辟易してきた。「こいつ、こんな奴だったっけ?」…僕は次第に彼に対して不信感を抱くようになっていった。

 

それからというもの、僕はそれとなく彼を観察してみた。彼は僕以外に親しくしている友人に対しては、極々他愛のない世間話に華を咲かせている。僕に対しているときのような、愚痴だの悪口だのを話している様子は一切無い。そのようなネガティブな一面を見せるのは、僕の前だけのように感じる。怪しい……。

 

僕はさらに観察を続けた。するとまあ次々と明らかになる彼の様々な……。

 

上記のように親しい友人と、楽しく世間話をする気さくな彼。

可愛らしい女性に対し、やさしく細かい気配りを欠かさない紳士な彼。

上司に対しては、従順且つテキパキと仕事をこなす有能な部下である彼。

おっちょこちょいなイジられキャラ相手には、とことんイジり倒すちょっと意地悪な彼。

ちょっと気の弱い人に対しては、己の武勇伝を誇らしげに語りマウンティングをする居丈高な彼。

前回の記事(↓を参照)で紹介したAさんの事件に対しては、(彼は↓の記事と同じ職場の人間です)周囲の流れに合わせて徹底的にAさんを糾弾する側に回った、穏健且つ常識的な彼。

 

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……何ともその多彩な変わり身に、僕は只々唖然とさせられるばかりであった。

 

正にカメレオンの変色を彷彿とさせる、それは変わり身の激しさであった……。

 

 

 

カメレオンの脳内に構築された“ヒエラルキー”

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後になって考えてみると、彼が最初に大人しくしていたのは、所謂品定めをしていたのだろう。じっくり他者を観察し、自分にとって誰がどの程度の位置付けに相応しいかじっくりと見定め、ランクを付けていったのだと思う。そうして構築されていった脳内のヒエラルキーに従って、他者に対する対応を決めていったのだ……。(僕は差し詰め「温厚で大人しい愚痴聞き相手」といったところだろう)

 

まあ僕だって人間をやってれば相手に応じて多少の演じ分けが必要なのは心得ているし、今まで出会ってきた人の中にも変わり身の激しい人は大勢いた。しかし、僕を含めそのような対応をとってしまう人は大抵そんな自分に忸怩たる想いを抱いているかのような雰囲気が感じられたものである。

 

しかし、彼からはそのような雰囲気は微塵も感じられなかった。むしろ世の中を如才なく渡っている自分を誇っているかのような、ある種の自信すら感じられる。まったく自分の振る舞いに迷いが無いのだ。

 

……彼は今後の人生においても、その如才なさでそれなりの人望を築いていく事だろう。それが彼の処世術である以上、僕がとやかく言う権利はないし、彼のような人間を重宝に思う人も一定数いることだろうから、それはそれで立派なことなのだろう。正し……、

 

僕はそのような人間には近づきたくはないが……。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。